個人再生

個人再生

住宅を残して借金を大幅減額。仕組み・条件・住宅ローン特則・費用・流れを網羅解説
更新日:

利息のカットだけでは足りない。でも、持ち家は手放したくない。そんな時に検討される債務整理が個人再生です。

個人再生は元本を最大10分の1に圧縮でき、減額した借金を分割で返済するための手続き。手続きは裁判所を通しますが、自己破産と違いギャンブルや浪費が原因でできた借金にも適用されます。

また、自己破産は警備員や保険会社で勤務される方は資格制限があり仕事に支障が出ることがありますが、個人再生は資格制限なし。一時的に職を失ったり、転職する必要もありません。

では、個人再生をすると一体いくら借金を減額できるのか。また、弁護士や司法書士に依頼すると費用はどのくらいかかるのか。個人再生の基本を解説します。

返済できない借金にお悩みで、個人再生の利用を検討されている方は、ぜひご確認ください。

個人再生とはー仕組みと対象項目

個人再生とはー仕組みと対象項目

個人再生は、返済が難しくなった借金を減額し、無理なく返済できるよう調整するための制度。収入がある方なら弁護士または司法書士に依頼することで利用可能。民事再生法に基づき、裁判所でお手続きいただけます。

(目的)

第一条 この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。

引用元:民事再生法(e-GOV法令検索)

民事再生法は、上記のように再生を目的として定められた法律です。個人再生は国が認めた手続きなので、返済できない債務にお悩みの方は、利用することで生活を立て直せるかもしれません。

個人再生は収入がある方を対象とした債務整理です。無職の方や収入が不十分な方は自己破産など、他の手続きをご検討ください。

借金を減額し分割できる

借金を減額し分割できる
  • 裁判所に借金圧縮計画を提出する

  • 3〜5年かけて分割返済する

  • 完済すれば残責務(借金やローンの残高)免除となる

裁判所で借金圧縮が認められると、3〜5年かけて返済することになります。分割払いで返済するためのスケジュールは、弁護士または司法書士と相談のうえ決めていきます。

個人再生で圧縮できる借金と項目

個人再生で圧縮できる借金と項目
  • 最大で借金を10分の1に圧縮できる

  • 個人再生対象外の債務:税金、罰金、故意に作った損害賠償金、住宅ローン(家を手放さない場合)

住宅ローンを除く借金が総額3,000万円から5,000万円以下の場合、借金を10分の1に減額できます。

また、税金や罰金など、個人再生できない項目がいくつかあります。ご自身が債務整理したいものが個人再生の対象かどうか、ご確認のうえでお手続きください。

2種類の個人再生

2種類の個人再生

個人再生は、以下2種類の手続きに分けられます。

種類

対象者

特徴

小規模個人再生

自営業や個人事業主、会社員など(収入がある方なら誰でも利用可能)

債権者の書面決議が必要

給与所得者再生

会社員や公務員など(安定した収入がある方)

決議不要の代わりに可処分所得2年分の弁済が必要

可処分所得とは・・・給与から税金や社会保険料を引いた手取り額のこと。一般的に年収の70〜80%と言われている。

弁済とは・・・法律用語で、お金の支払いや物により、義務を果たすこと。借りたものを返却することも弁済という。

小規模個人再生は、再生計画案に債権者が合意しなければ決議されません。反対した債権者からの借入が、総額の2分の1を超える場合は否決される仕組みになっています。

給与所得者再生は、債権者の決議なしに利用できる手続きです。ただし、安定した収入がある方のみ利用可能。さらに、税金や保険料を除く給与の手取りを2年分支払う必要があります。

また、小規模個人再生と給与所得者再生の対象はいずれも個人です。会社の債務にお困りの場合は民事再生をご検討ください。

メリット|個人再生をする利点は?

メリット
  • 元本を最大10分の1に圧縮できる

  • を手放さなくても良い

  • 自己破産のように仕事に影響しにくい

  • 借金の原因に関係なく利用できる

  • 受任通知により取り立てが止まる

  • 過半数が合意すれば手続きできる

  • 法テラスを利用できる

個人再生を利用するメリットはいくつか挙げられますが、その中でも元本を圧縮できることが利点ではないでしょうか。ご自身の債務や収入と合わせ、個人再生が最適か検討されたうえでご決断ください。

元本を最大10分の1に圧縮できる

元本を最大10分の1に圧縮できる

債務整理のひとつである任意整理は、主に将来利息をカットする手続きです。しかし、個人再生なら元本を圧縮できる。高額な借金にお悩みの方は、利息カットだけでは生活を立て直せない場合があります。

元本そのものが負担になっている方は、個人再生で元本を圧縮することで再建できます。

家を手放さなくても良い

家を手放さなくても良い

自己破産は原則として持ち家を手放す必要がありますが、個人再生は持ち家を残すことができます。住宅ローンが残っている場合は住宅ローン特則を利用することで、家に住み続けることも可能。

ローンの有無に関係なく家を手放さず利用できるので、お住まいを変えずに債務整理したい方は自己破産より個人再生の方が良い場合があります。

自己破産のように仕事に影響しにくい

自己破産のように仕事に影響しにくい
  • 警備員

  • 保険外交員

  • 士業(弁護士 / 司法書士 / 行政書士 / 弁理士)

警備員は以下のように警備法により、自己破産した方は一時的に警備員として働けないことになっています。

(警備業の要件)

第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、警備業を営んではならない。

一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

引用元:警備業法(e-GOV法令検索)

そのため、警備員として在籍中に自己破産すると、休職または離職することになります。

また、保険外交員とは、保険会社や保険代理店で生命保険や損害保険など保険商品を販売するスタッフのこと。必ずではありませんが、保険外交員は、自己破産をすると仕事を続けられなくなることがあります。

弁護士・司法書士・行政書士・弁理士など士業の方も同じように自己破産は仕事に影響します。

しかし、個人再生であれば資格制限もないため、仕事を変えることなくお手続きいただけます。上記職業の方は、仕事を続けるためにも自己破産ではなく個人再生を選ぶことがあります。

借金の原因に関係なく利用できる

借金の原因に関係なく利用できる

自己破産は浪費やギャンブルが原因でできた借金には利用できませんが、個人再生は免責不許可事由の規定がないため、ギャンブル等でも手続きできます。

免責不許可事由とは・・・自己破産するにあたり、裁判所が免責を認めない事情(ギャンブル、浪費による借金や財産を隠すこと)

受任通知により取り立てが止まる

受任通知により取り立てが止まる

個人再生を弁護士や司法書士に依頼すると、債権者に受任通知が送られます。これにより、電話やメールによる催促が止まります。返済が遅延すると債権者から連絡が来ますが、何度も謝罪したり不在が入るのは精神的にも負担がかかります。

取り立てがなくなるだけで心の余裕ができるケースもあるので、返済できずに悩まれている方は早いうちに専門家に相談されるのがおすすめです。

過半数が合意すれば手続きできる

過半数が合意すれば手続きできる

給与所得者再生は決議不要ですが、小規模再生の場合、過半数が合意することで個人再生を利用できます。全ての債権者が合意しなくても手続きできるので、その点はご安心ください。

デメリット|個人再生はリスクも伴う

デメリット
  • 信用情報に事故登録される(5〜7年)

  • 官報に氏名が載る

  • 手続きが複雑で時間がかかる

  • 任意整理より費用が高い

  • 借金5,000万円以上の場合利用できない

  • 継続的な収入が必要

  • 全ての債務に適用されるため、対象を選べない

  • 保証人に一括請求が行く

  • 清算価値保証原則で減額できないことも

個人再生はメリットが多いですが、もちろんデメリットも。リスクも踏まえた上であなたに合った手続きかご確認ください。

信用情報に事故登録される(5〜7年)

信用情報に事故登録される

クレジットカードやローンに使用される信用情報に事故登録されるため、5〜7年、クレカやローンが利用できなくなります。

CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)JICC(日本信用情報機構)は完済から5年。KSC(全国銀行協会)は再生開始決定から7年登録されます。

この間、利用していたクレジットカードが利用できなくなるだけでなく、新規作成も不可。新規ローンを組むこともできません。そのため、ご家族が本会員の家族カードやデビットカードで代用するのがおすすめです。

官報に氏名が載る

官報に氏名が載る

官報とは、国が発行する唯一の機関紙で、発行から90日以内であれば誰でも閲覧可能です。個人再生すると官報に氏名が載るため、周囲に気づかれることを懸念する方もいらっしゃいます。

しかし、一般的に官報を見る方は少ないので、知らないうちにご近所に知れ渡るなどの可能性は低いでしょう。

手続きが複雑で時間がかかる

手続きが複雑で時間がかかる

個人再生は申立から認可確定まで6ヶ月〜1年かかります。法律上専門家に依頼しなくても手続き可能ですが、事実上弁護士や司法書士の介入が必須です。

任意整理より費用が高い

任意整理より費用が高い

任意整理の費用相場は5〜15万円ですが、個人再生の相場は50〜90万円です。個人再生の方が費用が高いためデメリットに感じられるかもしれませんが、その分個人再生の方が減額できます。

借金5,000万円以上の場合利用できない

借金5,000万円以上の場合利用できない

個人再生が利用できるのは、総額5,000万円以下(住宅ローン除く)の債務です。借金5,000万円以上の場合は民事再生や自己破産をご検討ください。

継続的な収入が必要

継続的な収入が必要

個人再生は、3〜5年かけて分割返済するための手続きなので、継続的な収入が見込めることが前提です。失業中の方や、収入見込みがない場合は自己破産が適しているかもしれません。

全ての債務に適用されるため、対象を選べない

対象を選べない

個人再生は全ての債務に適用されます。「この借金にだけ利用したい」など個別に選ぶことはできません。

ただし、住宅ローン特則を利用すれば住宅は残すことができます。住宅ローン特則が人認可された場合は、元の予定通りローンを払う「そのまま型」や滞納分を分割で払う「期限の利益回復型」、または最長10年まで返済期間を延長できる「リスケジュール型」でローンを支払うことになります。

保証人に一括請求が行く

保証人に一括請求が行く

保証人付きの借金も個人再生の対象になるため、手続きすると保証人に一括請求が行きます。保証人は債権者から報告がなければ、突然請求書が届くことになります。

急に一括請求が届くとトラブルのもとになるので、事前に保証人に報告し、今後どうしていくか相談されるのが良いでしょう。

また、保証人に請求が行くのを防ぐため、保証人付きの借金だけを優先的に返済、または完済するのは偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれるNG行為です。個人再生が認可されにくくなってしまうため、優先的に返済しないようご注意ください。

清算価値保証原則で減額できないことも

清算価値保証原則で減額できないことも

清算価値とは・・・自己破産した際に手放すはずの財産(預貯金・車・生命保険解約返戻金・退職金など

高級車や退職金が多く入る見込みの場合、個人再生の減額率が下がることがあります。

利用条件|個人再生するための要件

利用条件

途中で返済できなくなることがないよう、個人再生を利用するにはルールが定められています。個人再生をお考えの方は、ご自身が該当するかどうかをご確認ください。

必須要件

要件

目安

支払いできなくなる恐れ

3年以内に完済できそうか

継続的・反復的な収入

給与・年金など、毎月コンスタンスに収入があるか

借金下限

100万円以上の場合

借金上限

住宅ローンを除く借金が5,000万円以下

継続的な収入とは?

正社員以外の方も継続的な収入があれば個人再生が認可される可能性があります。

収入

認められるかどうか

正社員・公務員

◎ 小規模再生 / 給与所得者再生どちらも認めれらやすい

パート・アルバイト

○ 月収8万円ほどでも継続的な収入があれば可能

年金所得者

○ 年金は継続的に振り込まれる

自営業・フリーランス

○ 過去2年の収入を見るので、売上の波があっても良し

失業中・収入なし

× 自己破産が良い

個人再生が向いている人

個人再生が向いている人

個人再生は以下の方に向いています。

  • 300万円以上の借金がある

  • 利息カットだけでは返済の目処が立たない

  • 持ち家を手放したくない

  • 自己破産すると仕事に支障が出る(警備員・保険外交員・士業)

  • ギャンブルや浪費が原因で借金してしまった

  • 自己破産では処分対象になる退職金や財産がある

借金300万円以上で、将来利息をカットできる任意整理では減額が足りない。という方は個人再生が向いています。

また、自己破産はギャンブルや浪費が対象外になることもあるため、ギャンブル等が原因でできた借金にお悩みの方も個人再生が良いかもしれません。

債務整理の中でもどの手続きにすれば良いか迷ったら弁護士・司法書士に相談するのも良し。いつまでも返ずにお困りでしたら、早いうちに相談だけでも試してみてはいかがでしょうか。

個人再生の利用条件については「個人再生の利用条件 — 住宅ローン特則が使えるケース・使えないケース」でご説明しております。

どちらが良い?小規模個人再生と給与所得者再生

小規模個人再生と給与所得者再生

個人再生は小規模個人再生と給与所得者再生の2種類。では、あなた自分はどちらを選べば良いの?とお悩みの方もいらっしゃると思います。そこで、小規模個人再生と給与所得者再生の選び方をご紹介します。

個人再生の選び方

個人再生の選び方

小規模個人再生と給与所得者再生は、給与所得者再生の方が利用条件が厳しいです。簡単にいうと以下のようなイメージです。

項目

小規模個人再生

給与所得者再生

利用できる人

誰でも(自営業 / 個人事業主 / 主婦 / アルバイトなど)

正社員などで収入の変動が少ない人

債権者の同意

必要(書面で決議される / 過半数同意で利用可能 / 反対した債権者が借金総額2分の1以上あった場合は否決)

不要(裁判所の判断のみ)

最低弁済額

法定最低弁済額または清算価値(どちらか高い方)

法定最低弁済額・清算価値・可処分所得2年分(3つのうち最も高いもの)

利用される割合

9割

1割

収入があれば職業に関わらず利用できるのが小規模個人再生。正社員など、安定した収入がある方が利用できるのが給与所得者再生です。ちなみに、正社員が小規模個人再生を行うこともできます。

個人再生を成功させるポイント

個人再生を成功させるポイント
  • 借金を正直に申告する

  • 財産を隠し持ったりしない

  • 弁護士や司法書士の指示に従う

  • 特定の債権者にだけ返済しない

大前提として、借金を正直に申告していないと個人再生が否決される可能性が高くなります。また、言うまでもありませんが、財産を隠し持っているのもNG。万が一手続きの最中に財産を隠したことが発覚すれば不利になります。

弁護士や司法書士の指示に従うのも個人再生を成功させるポイント。個人再生は手続きが複雑なため、専門家が言うとおりに書類を揃えたり、弁済を行うことが重要です。勝手な判断で行動しないようご注意ください。

その他に気をつけていただきたいのが、特定の債権者にのみ優先的に返済すること。保証人がいる借金で起きやすいケースですが、「個人再生をしたことで保証人に迷惑をかけたくない」と、特定の借金を返済する行為は禁止されています。

(再生計画による権利の変更の内容等)

第二百二十九条 小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならない。

引用元:民事再生法(e-GOV法令検索)

民事再生法で平等に返済するようルールが定められているため、禁止行為を行うと個人再生が通らなくなることがあります。

小規模個人再生が難しい時は給与所得者再生を選ぶ

小規模個人再生が難しい時は給与所得者再生を選ぶ

小規模個人再生は債権者の同意が必要ですが、給与所得再生は裁判所の判断のみです。カードローン会社や一部の保証会社は小規模個人再生を否決することが多いため、小規模個人再生が通らなかった時は給与所得者再生をお選びください。

また、正社員ではなく小規模個人再生が通らなかった場合は、自己破産を検討するのもひとつ。ご自身にあった手続きはどれか。どうすれば生活を立て直せるか。依頼した弁護士や司法書士とよく話し合ってご決断ください。

可処分所得とは

可処分所得とは

給与所得者再生の際必要になる可処分所得。可処分所得とは、給与から税金や社会保険料、最低限の生活費を差し引いた額のことです。

  • 可処分所得=年収ー(税金・社会保険料・最低限の生活費)

可処分所得は地域ごとに異なり、最も高い地域は富山県。次いで福井県、東京都となっています。(引用元:国土交通省)家族構成や年齢によっても金額が違うので、詳細はお手続きの際にご確認ください。

個人再生で減額できる借金の具体例

個人再生で減額できる借金の具体例

実際に個人再生をするとどの程度借金を減額できるのか。債務整理を検討されている方にとって、気になることだと思います。そこで、減額できる借金の具体例をご紹介します。

個人再生をしたらご自身の生活がどう変わるか、ぜひ一度ご想像ください。

法定最低弁財額の早見表

法定最低弁財額の早見表

法定最低弁済額とは、法律で定められた最低限の返済額。ご自身の借金額と照らし、いくらくらい減額できそうか確認してみましょう。

借金総額(住宅ローン除く)

法定最低弁済額

100万円未満

個人再生を利用できない

100万円〜500万円

100万円

500万円〜1,500万円

借金の5分の1

1,500万円〜3,000万円

300万円

3,000万円〜5,000万円

借金の10分の1

5,000万円以上

個人再生を利用できない

金額別|借金返済シミュレーション

借金返済シミュレーション

3年で完済する場合、月々の返済額はいくらになるのか。借金の金額別にシミュレーションしていきます。

借金総額

法定最低弁済額

月々の返済(3年計画の場合)

300万円

100万円

約27,800円

500万円

100万円

約27,800円

800万円

160万円(借金の5分の1)

約44,500円

1,500万円

300万円(借金の5分の1)

約83,400円

2,500万円

300万円(最低保証)

約83,400円

4,000万円

400万円(借金の10分の1)

約111,200円

借金が多いほど、減額率は高くなります。ただし、借金が5,000万円を超える場合は個人再生が利用できないため、ご注意ください。

また、個人再生を利用しても「清算価値保障」で頭打ちになることも。財産がある方は上記の表より返済額が増えることもあるため、詳細は依頼した弁護士や司法書士に確認しましょう。

4つの返済タイプ|住宅ローン特則

住宅ローン特則

家を残しながら個人再生できる住宅ローン特則。住宅ローン特則は、大きく4つの返済タイプに分けられます。ご自宅を手放さずに個人再生をしたい方は、ぜひタイプごとの違いをご確認ください。

住宅ローン特則を利用できる条件

住宅ローン特則を利用できる条件

条件

詳細

自分名義の家である

共有名義でも可能

その家に住んでいる

別荘や投資用の物件はNG

保証会社が住宅ローンを代位弁済し、支払いが完了していないこと

完了後6ヶ月以内なら巻き戻しできる

家が住宅ローン以外の担保になっていない

家が事業資金担保等になっている場合はダメ

床面積の半分以上が居住スペース

自宅兼店舗なら居住部分が半分以上

代位弁済とは・・・住宅ローンやカードローンの支払いが滞った時、保証会社などの第三者が代理で返済する仕組み。

家が自分名義でない場合は住宅ローン特則の利用不可。さらに、半分以上を居住用で利用していなければいけない等の制限があります。

4つの返済タイプ

4つの返済タイプ

家計の状況に応じて、以下の返済方法から住宅ローンの支払いをお選びいただけます。

タイプ

内容

使用する場面

期限の利益回復型

滞納していた分を再生契約期間(3〜5年)で分納

過去に滞納したことがあり、もうすぐ保証会社代位弁済になる

リスケジュール型

返済期間を最長10年延長(上限は70歳まで)

月々支払う住宅ローン返済額を減らしたい

元本据置型

再生計画期間中は元本据置型で利息のみ支払う

再生計画の弁済で生活が苦しい3〜5年だけ猶予される

同意型

上記以外を住宅ローン会社と個別合意

特殊事情で柔軟な対応が必要

期限の利益回復型が最も多い

期限の利益回復型が最も多い

4つのタイプの中で最も多いのは期限の利息回復型。保証会社の代位弁済が完了すると家を手放すことになりますが、数ヶ月住宅ローンの支払いが滞った方でも期限の利益回復型を活用すればご自宅を失わずに済みます。

万が一代位弁済が始まっていても6ヶ月以内なら巻き戻しが可能。6ヶ月を過ぎるとご自宅は競売にかけられるので、住宅ローンを滞納してしまった方は早いうちに弁護士や司法書士に相談されるのがおすすめです。

債務整理と家・車の関係について、詳しくは「債務整理すると持ち家・車はどうなる?財産への影響を制度別に整理」をご一読ください。

清算価値保証原則ー自己破産を視野に入れることも

清算価値保証原則 自己破産

個人再生の弁済額には清算価値保証原則というのがあります。自己破産すると車や家、預貯金を失いますが、清算価値保証原則とは、自己破産で手放すはずの財産を加味して返済計画が立てられます。

財産が多い方ほど減額できる金額が少なくなるので、人によっては個人再生を利用しても思ったより減額されないというケースがあります。

清算価値の計算方法

清算価値の計算方法

「清算価値=自己破産した際に処分対象となる財産の合計」です。清算価値の主な計算方法は以下。

  • 持ち家の評価額ー住宅ローン残高=実質的な家の価値

  • 預貯金(20万円を超えた場合)

  • (処分見込み価格20万円を超えた場合)

  • 保険解約返戻金(20万円を超えた場合)

  • 退職金見込み額の8分の1(20万円を超えた場合)

持ち家以外は、20万円を超えた場合、金額そのものが自己破産で手放す金額(清算価値)として計算されます。たとえば預貯金が30万円だった場合は清算価値30万円。処分費込みで車の価値が50万円となれば、50万円が清算価値に計上されます。

シミュレーション例

シミュレーション例
  • 借金→600万円

  • 持ち家の価値→200万円

  • 退職金見込み→800万円

上記条件の場合、返済額がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。

基準

金額

法定最低弁済額(600万円×1/5)

120万円

清算価値(持ち家200万円+退職金800万円×1/8=100万円)

300万円

最低弁済額(法定最低弁済額と清算価値の高い方)

300万円

最低弁済額は、法定弁済額と清算価値の高い方が採用されるため、この場合の最低弁済額は300万円になります。3年で返済したとすると、月々の支払いは約83,400円と計算できました。

法定最低弁済額が120万円というのを踏まえると、実際に支払う金額は180万円多く、倍以上の額を返済することに。個人再生を利用しても、財産が多い方は思ったより減額できない、となることがあります。

費用|個人再生を依頼する際の相場(2026年版)

個人再生を依頼する際の相場

費用項目

個人再生あり

個人再生なし

弁護士費用

50〜80万円

50〜80万円

裁判所予納金(よのうきん)

約1〜2万円

15〜25万円(個人再生委員報酬)

官報広告費

約1.5万円

約1.5万円

合計目安

50〜85万円

65〜110万円

個人再生の費用は、大きく3種類。弁護士費用と裁判所予納金、官報広告費があります。

個人再生委員とは?

個人再生委員とは、個人再生を手続きする際裁判所のサポートや申告人の監督を行う人のこと。弁護士や司法書士を通して個人再生した場合でも、個人再生委員の有無は必須ではありません。

また、希望を出せば個人再生委員を選任してしてもらえるものでもなく、選任を判断するのは裁判所です。弁護士を立てずに個人再生した場合や住宅ローン特則を利用する場合。収入や財産の状況が複雑な場合、個人再生委員を選任される確率があがります。

費用を用意できない場合

費用を用意できない場合

個人再生を依頼する費用がない場合、以下の方法で個人再生をご利用いただけます。

  • 法テラス:弁護士費用立替え・分割返済(月々5,000円〜10,000円)

  • 弁護士事務所の分割払い:3〜12回の分割払い(事務所により規定が違う)

  • 受任通知後のプール金:借金返済がストップする期間(4〜6ヶ月)に費用を積み立てる

法テラスや各事務所の分割払いを活用すれば、手元にお金がなくても個人再生を進められます。特に持ち家を残しながら債務整理したい方は、住宅ローンの滞納により個人再生できなくなることもあるため、まず一度専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。

個人再生を含む、債務整理の費用について詳しくは「債務整理の費用はいくら?制度別の相場と払えないときの対処法」をご参照ください。

東京地裁独自のルール

東京地裁独自のルール

東京地裁では,すべての個人再生事件について,個人再生委員を選任しています。

引用元:東京弁護士会

先ほど、地裁により個人再生委員の選任は必須ではないとお話ししましたが、東京地裁は例外です。東京に次いで人口が多い大阪と比べてみましょう。

地裁

個人再生委員の選任

追加費用

東京地裁

必須(弁護士ありの場合でも必ず選任される)

15〜25万円

大阪地裁

弁護士や司法書士の代理人ありなら原則不選任

なし

個人再生を行う裁判所は原則としてお住まいの地域を管轄している地裁になります。ご自身の管轄になっている地裁はどのようなルールを設けているか、一度確認してから手続きされると安心です。

個人再生の流れと期間

個人再生の流れと期間

個人再生を依頼すると、どのくらいの期間が必要でどのような流れで手続きされるのか。これから債務整理をしたい方にとって重要なポイントだと思います。

そこで、個人再生の流れと手続きに必要な期間を解説します。ご自身が個人再生を利用したらどのように悩みを解決できるか、ぜひ一度ご確認ください。

手続きの流れと項目ごとの期間

ステップ

内容

期間の目安

ステップ①:相談・依頼

借入一覧・家計表・身分証・住宅ローン残高証明書を持参する

即日〜1週間

ステップ②:受任通知の送付

各債権者に発送。受任通知が届いたその日から催促がなくなる

当日〜数日

ステップ③:取引履歴の取り寄せ・引き直し計算

過払い金がないか確認する

1〜3ヶ月

ステップ④:申立書類の作成

借入経緯・家計収支・財産目録・住宅資金特別条項案など30種以上の書類を作る

1〜3ヶ月

ステップ⑤:申立→個人再生委員選任

個人再生委員と打ち合わせを始める(個人再生委員なしで手続きされることもある

申立後1〜2週間

ステップ⑥:履行テスト

想定弁済額を6ヶ月間積み立てて、本当に払えるか確認する

6ヶ月

ステップ⑦:開始決定

履行テストで良しとされた場合開始決定

申立から1〜2ヶ月

ステップ⑧:再生計画案の提出

弁済額・分割回数・住宅ローン特則の内容を盛り込む

開始決定から3ヶ月

ステップ⑨:小規模→書面決議 / 給与所得者→意見聴取

債権者の同意を集める

計画案提出から1ヶ月

ステップ⑩:認可決定し、確定

官報掲載から2週間で確定

決議から1〜2ヶ月

ステップ⑪:計画通りに返済を開始する

認可確定の翌月から3〜5年で返済する

3〜5年

引き直し計算とは・・・金利上限引き上げ前(2010年6月18日)に返済した借金があった場合、現在の金利で計算し直すこと。

全体の期間

  • 申立から認可確定まで→6ヶ月〜1年程度

  • 完済まで→3年半〜6年程度

弁護士への依頼から申立までは一般的に1〜1年半が目安です。実際にかかる期間は借金の状況により異なるので、手続き完了の時期は個人再生を依頼する弁護士または司法書士にご確認ください。

個人再生が成立する前に履行テストを行う

個人再生が成立する前に履行テストを行う

個人再生を希望しても、いきなり支払いが始まることはありません。本当に支払うことができるか、履行テストを行なったうえで個人再生の返済がスタートします。

履行テストとは

履行テストとは

申立から開始決定までの期間に履行テストが行われます。通常、期間は3〜6ヶ月の間、再生計画で想定される月々の弁済額(最低弁済額の3分の1〜同額)を積み立てる制度です。

個人再生委員が選任された場合は個人再生委員が指定する口座に。選任されない場合は裁判所や担当弁護士の口座に振り込み、積み立て状況を確認されます。

履行テストで遅延すると個人再生を利用できなくなるため、手続きを利用するために大変重要な工程です。

積み立てたお金の使い道

積み立てたお金の使い道

履行テストで積み立てたお金は、個人再生を利用できるとなれば債権者への返済や弁済の頭金。利用できないとなっても返金されるので、積み立てが無駄になることはありません。

履行テストの実務

履行テストの実務

想定弁済額

履行テスト中の積み立て額

月々50,000円

月々50,000円

月々80,000円

月々50,000円〜80,000円(地裁判断)

月々100,000円

月々50,000円〜100,000円

履行テストで月々積み立てる金額は、弁護士や司法書士、または個人再生委員と相談して決定します。

個人再生の影響と再スタート

個人再生の影響と再スタート

個人再生は以下3つの信用情報に事故情報が登録されます。

機関

主な加盟先

登録機関

CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)

クレジットカード会社・信託・携帯キャリア

完済から5年

JICC(日本信用情報機関)

消費者金融・信販会社

完済から5年

KSC(全国銀行協会)

銀行・信用金庫・保証会社

再生開始決定から7年

CIC・JICC・KSCは、クレジットカード会社や消費者金融、銀行などが利用している信用情報機関。個人再生を利用すると、これらの機関に「事故」と登録され、これまで利用できていたサービスが利用できなくなるなどの影響があります。

5〜7年利用できなくなるサービス

利用できなくなるサービス
  • クレカの利用停止 / 新規発行・更新停止

  • 新規の住宅ローン

  • 自動車ローン

  • スマホ端末の分割購入

  • 一部の賃貸契約

個人再生を行うと、今まで利用されていたクレジットカードは利用停止されます。また、新規発行や更新も個人再生利用中+完済後5年間は利用できなくなるので、支払い方法を工夫する必要があります。

クレカに関しては、ご家族が本会員になっているカードの家族カードを利用したり、デビットカードで代用可能。カード払いが全く利用できなくなるわけではありません。

その他、住宅ローンや自動車ローンも利用できなくなります。ただし、家に関しては住宅ローン特則を利用すれば、既存のローンを残し今お住まいのご自宅を残すことができます。

また、スマホの分割払いは利用できなくなりますが、一括での購入はOK。スマホの機種変更をする際は、一括で支払うことになります。

さらにご注意いただきたいのが、賃貸契約。一部の賃貸物件は、信販系保証会社を利用しています。物件によっては賃貸契約できなくなるので、引越しが必要になる。または、引越しの際審査が通らないことがあります。

ただし、どの信用機関も一定の機関が過ぎれば利用できるようになります。あくまで一時的な停止なので、ご安心ください。

個人再生と他の債務整理との違いは?

比較項目

任意整理

個人再生

自己破産

減額の程度

将来利息のカット

元本を最大10分の1に圧縮

全額免除(原則)

裁判所

不要

必要(地方裁判所)

必要(地方裁判所)

対象の選択

任意整理したい借入先を選べる

全ての借入が対象(選べない)

全ての借入が対象(選べない)

住宅ローン

影響なし

住宅ローン特則を利用すれば維持可能

原則処分

借金の原因は関係あるか

原因問わず利用可能○

原因問わず利用可能○

原因によっては利用できない×(ギャンブルや浪費など)

官報掲載

なし

あり

あり

資格制限

なし

なし

あり(警備員・保険・士業など)

信用情報の登録期間

約5年

約5〜7年

約5〜7年

費用の目安

1社あたり2〜5万円×社数

50〜85万円程度

30〜100万円程度(管財なら+20〜50万円程度)

あなたに合った手続きは?

状況

おすすめの債務整理

元本は返せるが、利息の支払いが厳しい

任意整理

家を残したい+元本の返済も難しい

個人再生

資格制限のある職業に就いている(警備員や保険会社)

個人再生

ギャンブルや浪費が原因で借金を作ってしまった

個人再生

元本を返せる見込みがないし、持ち家も必要ない

自己破産

病気・失業で収入がなくなった

自己破産

債務整理の選び方は、「【比較表付き】任意整理・個人再生・自己破産 — 条件の違いを一覧で確認」で詳細をご確認ください。きっとあなたに合った手続きがあるはずです。

よくある失敗例と対処法

個人再生のよくある失敗と対処法をご紹介します。これから手続きをお考えの方は、失敗しないよう事前にご確認ください。

①:履行テストの積立が遅延する

履行テストの積立が遅延する

個人再生を正式にスタートする前に行われる履行テスト。積み立て金を払い、今後個人再生で返済できるかチェックするためのテストです。

履行テストの積み立てが1日でも遅延すると、個人再生が通らない可能性が高くなります。「1日遅れる=必ず個人再生できなくなる」というわけではありませんが、まずは正直に弁護士や個人再生委員に報告することが重要。嘘だけはつかないようご注意ください。

また、事前に遅延がわかった時は、支払い予定日より前に相談しておきましょう。事前報告の有無でも心象が変わります。

②:申立直前に財産を家族名義に変更する

申立直前に財産を家族名義に変更する

個人再生を始まる前に家や車の名義を変更すると、「財産を隠した」とされ、返済額に上乗せされます。直前に手続きするとうしろ損するため、抵抗せずありのまま申告してください。

③:一部の借入先だけ先に返済する「偏頗弁済(へんぱべんさい)」

一部の借入先だけ先に返済する

特定の借金だけ優先的に返済することを偏頗弁済と言います。保証人がいる借金でよくあるケースですが、個人再生を利用すると保証人に一括請求が届くのを恐れ、対象の借金だけ返済することも。

しかし、偏頗弁済は個人再生の禁止行為で、バレると個人再生が不利になります。個人再生ではどの借入も平等に返済する必要があるため、勝手に返済などせず、弁護士や司法書士の指示に従い行動しましょう。

④:小規模個人再生が成立しない業者がいないか確認

小規模個人再生が成立しない業者がいないか確認

銀行や保証会社の中には、小規模個人再生を反対しやすい企業があります。借入総額の2分の1を超える借入先が反対すると小規模個人再生を利用できないため、手続きを始める前に成立しやすいかどうかを確認するのもひとつです。

⑤:見栄を張って事実より弁財額を少なく申告する

少なく申告する

借入や生活費は正直に申告してください。手続きが進んでから隠し財産や虚偽の申告がわかると、個人再生の不利になります。

債務整理や個人再生についてさらに詳しく知りたい方へ

個人再生や債務整理について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。

監修 奥野正智

ウイズユー司法書士事務所

奥野正智 司法書士

債務整理や闇金問題への対応を中心に、幅広い法務サービスを提供する司法書士・行政書士。これまでに8万件を超える闇金相談・解決実績を有し、特に違法業者への対応や借金問題の解決において豊富な経験を持つ。司法書士と行政書士のダブルライセンスを活かし、債務問題から各種手続きまで一貫した対応が可能。依頼者の状況を的確に把握し、迅速かつ実務的な解決を重視している。また、闇金被害に関する啓発活動にも取り組み、メディア出演や情報発信を通じて被害防止に寄与。法テラス登録相談員としての活動や、LEC東京リーガルマインド専任講師としての教育活動など、多方面で実務と社会貢献の両立を図っている。大阪司法書士会会員(第2667号)/簡裁認定番号第312416号/大阪府行政書士会会員(第7123号)/申請取次行政書士登録番号 行-172022200021

よくある質問

個人再生は本当に持ち家を残せますか?

はい。自己破産と違い、個人再生は持ち家を残し、借金を減額できます。ただし、以下条件があるので該当するものがないかご注意ください。

  • 自分名義の家であること(共有名義もOK)

  • 主に居住用であること(別荘・投資用の物件は残せない)

  • 住宅ローンに保証会社の代位弁済が完了していない(完了後6ヶ月以内なら巻き戻しできる)

  • 住宅ローン以外の担保権がついていないこと(事業費用の担保など)

住宅ローンを滞納すると、保証会社が変わりに支払いする代位弁済がスタートします。滞納が6ヶ月を超えると家は競売にかけられ、取り戻すことはできません。

6ヶ月以内なら代位弁済が始まっていても巻き戻せるので、早い段階で弁護士や司法書士にご相談ください。

ギャンブルや浪費が原因の借金も個人再生できますか?

できます。個人再生は借金の理由に問わず利用できます。ただし、以下にご注意ください。

  • 継続的な収入は必須

  • 5,000万円以上の借金は利用できない

  • 履行テストで3〜6ヶ月の積立て継続が求められる

また、ギャンブル依存症にお悩みの場合、個人再生と合わせてカウンセリングを受けるのがおすすめです。

個人再生すると借金はどのくらい減額できますか?

個人再生を利用した際の法定最低弁済額は以下のように決まっています。

借金総額(住宅ローン除く)

最低弁済額(圧縮後)

100万〜500万円

100万円

500万〜1,500万円

借金の5分の1

1,500万〜3,000万円

300万円

3,000万〜5,000万円

借金の10分の1

借金600万円なら120万円。1,500万円なら300万円、4,000万円の場合は400万円に圧縮できます。

ただし、精算価値保障原則で持ち家や退職金見込み額が多い方は、想像より減額できないこともあります。

小規模個人再生と給与所得者再生、どちらの方が良いですか?

弁済額が少なくて済むため、約9割の方が小規模個人再生を利用しています。

小規模個人再生と給与所得者再生の違いは以下をご覧ください。

比較

小規模個人再生

給与所得者再生

利用できる人

誰でも(自営業や個人事業主の方もOK)

給与所得者で収入が安定している人

債権者の同意

必要(多数決で否決される可能性もある)

不要

最低弁済額

法定最低・清算価値のうち、高い方

法定最低・清算価値・可処分所得2年分のうち、高い方

給与所得者再生を利用する方は、メインの債権者に小規模個人再生を反対される可能性が高い場合が多いです。実際にどちらを選ぶべきかは借入先によって異なるため、弁護士や司法書士にご相談ください。

個人再生の手続きはどのくらい時間がかかりますか?

申立から認可確定まで6ヶ月〜1年。完済までは3年半〜6年が目安です。

段階

期間

弁護士相談→受任通知

当日〜数日(督促が即停止する

申立準備(書類作成)

1〜3ヶ月

申立→履行テスト

6ヶ月間(毎月積み立てる)

開始決定→再生計画案作成・決議

3〜4ヶ月

認可決定→確定

1〜2ヶ月

計画通りの返済

3年(最長5年)

手続き全体については「債務整理の手続きの流れを図解 — 相談から解決までのステップ」をご参照ください。

個人再生の費用は?いくらかかりますか?

総額50〜110万円程度です。内訳は以下をご覧ください。

費用項目

個人再生委員なし

個人再生委員あり

弁護士費用

50〜80万円

50〜80万円

裁判所予納金

約1〜2万円

15〜25万円(個人再生委員報酬)

官報広告費

約1.5万円

約1.5万円

合計

50〜85万円

65〜110万円

東京地裁の場合個人再生委員の選任が必須なので、個人再生の費用は65〜110万円とお考えください。個人再生を依頼する費用がない時は、

を活用すれば、手元に現金がなくても個人再生をご利用いただけます。支払いについて不安な方は、初回相談で弁護士に質問したり、法テラスに問い合わせましょう。

保証人がいる借金は個人再生できますか?

はい。保証人ありの借金も個人再生できます。

ただし、個人再生すると保証人に一括請求が行きます。保証人からすると、事情を知らずに請求が来ることになるため、個人再生を利用する前に一度報告しておきましょう。

個人再生は家族や職場にバレますか?

ご家族や職場にバレずに個人再生することができます。

  • 裁判所からの郵便物は依頼した弁護士事務所宛にできる

  • 戸籍・住民票には履歴が載らない

  • 職場には基本的に通知されない

  • 官報には載るが、一般的に見ている人は少ない

ただし、同居家族の収入証明や退職金見込額証明が手続きに必要なので、周囲の方が不審に感じて気づかれることはあるかもしれません。

周囲への配慮と債務整理の関係について、詳しくは「債務整理すると家族にバレる?影響の範囲と対策を解説」をご一読ください。

個人再生中や認可後にローンは組めますか?

個人再生中はローンが組めません。また、認可後は5〜7年ローンを契約できないのでご注意ください。

クレカや新規住宅ローン、車のローンやスマホの分割払いは利用できなくなります。ただし、ご家族が契約されているクレカの家族カードやデビットカード。または、スマホの一括払いなどはご利用いただけます。

ローンが組めなくなるのは、信用情報に事故登録されるため。信用情報に関しては「債務整理後のブラックリスト期間は?信用情報の回復までを解説」で詳細を確認してください。

個人再生の途中で予定通り返済できなくなったらどうなりますか?

まずは依頼した弁護士や司法書士にご相談ください。状況に応じて返済期間の延長やハードシップ免責。または自己破産に切り替える等で対応できます。

勝手に滞納すると計画変更が難しくなることもあるため、遅延しそうになったらすぐに相談することが重要です。

悩み別に読む